私がまどかにモテないのはどう考えてもお前らが悪い!(1.5)

下記作品のネタバレがあります。
ご注意ください。

・「魔法少女まどか☆マギカ」(2011年、シャフト)
・「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]始まりの物語/[後編]永遠の物語」(2012年、シャフト)
・「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」(2013年、SILVER LINK.谷川ニコ原作)


――病院――

ほむっち「私は……明日から転校生だ! すでにエロゲ内では、50年間、転校生として過ごし、様々な転校デビューを経験した。シミュレーションに抜かりはない!」


――翌日――

先生  「今日はみなさんに転校生を紹介します」

ほむっち「あ、あの……暁美……ほむらです……その……えっと……どうか……よろしく……お願いします」

先生  「暁美さんは心臓の病気でずっと入院していたの。みんな助けてあげてね」


――教室――

モブ子1 「暁美さんて、前はどこの学校だったの?」

ほむっち(ひっ……人と話すの久しぶりだし……こ、声ってどうやって出すんだっけ? え、えっと……き、きらめき高校……なんつって)

モブ子2 「部活とかやってた? 運動系? 文化系?」

ほむっち(ぶ、部活!? に、日常部……妄想の中でだけど……デヘヘ)

モブ子3 「すんごい長い髪だよね。毎朝編むの大変じゃない?」

ほむっち「(げ、ゲームするのに邪魔だから、寝る時もずっと編みっぱなしなんだけど)……あの……私……その……」

まどか 「暁美さん、保健室行かなきゃいけないんでしょ? 私、案内してあげる。」

ほむっち(た、助かった)


――廊下――

まどか 「ごめんね。みんな悪気はないんだけど、転校生なんて珍しいから、はしゃいじゃって」

ほむっち「……ありがとうございます」

まどか 「あたし、鹿目まどか。まどかって呼んで。私もほむらちゃんって呼んでいいかな?」

ほむっち「(なんだこの馴れ馴れしいビッチは。もしかして私に気があるのか?)……私、あんまり名前で呼ばれたことなくて……すごく変な名前だし」

まどか 「そんなことないよ! なんかさ、燃え上がれ〜って感じでかっこいいと思うな! せっかく素敵な名前なんだから、ほむらちゃんもかっこよくなっちゃえばいいんだよ!」

ほむっち(……女神かな?)


――授業――

先生  「君は休学してたんだっけな。友達からノートを借りておくように」

ほむっち(トモダチ……それ、何語でしたっけ?)

モブ子4 「準備体操だけで貧血ってやばいよね〜」

モブ子5 「半年もずっと寝てたんじゃ、しかたないんじゃない?」

ほむっち(……orz)


――下校――

ほむっち(転校デビュー、失敗しちゃった。私、これからもずっとぼっちなの?)

使い魔 「だったらいっそ、死んだ方がいいよね」

ほむっち(死んだ方がいいかな)

使い魔 「そう、死んじゃえばいいんだよ」

ほむっち「!? どこなの……ここ?」

使い魔ぬろぉ〜ん

ほむっち「ひぃっ! なんなの!? これがうわさの痴漢!? 怖いっ! でもクラスで『痴漢されちゃったアピール』できるかも……でも怖いっ! 痴漢アカン!」

バキューン!!!
ビューン!!!

ほむっち「!?」

マミ  「間一髪ってところね」

まどか 「もう大丈夫だよ、ほむらちゃん!」

ほむっち「あなたたちは?(巨乳……)」

Qべえ  「彼女達は魔法少女。喪女を狩る者達さ」

まどか 「いきなり秘密がばれちゃったね。クラスのみんなには内緒だよっ!」

ほむっち(秘密……クラスのみんなには内緒……私と鹿目さんだけの秘密……てゆーか巨乳……)


――マミ's Room――

ほむっち「鹿目さん、怖くないの?」

まどか 「喪女をやっつければ、それだけたくさんの人が助かるわけだし、やりがいはあるよね」

マミ  「鹿目さんには、ワルプルギスの夜が来る前に、頑張って一人前になっておいてもらわないとね」

ほむっち「……(巨乳……)」


――ワルプル戦――

まどか死亡

ほむっち「どうして? シクシク……死んじゃうって分かってたのに……シクシク……生きててほしかったのに……(私、またぼっちになっちゃう)」

Qべえ  「その言葉は本当かい、暁美ほむら? 君のその祈りのために、魂をかけられるかい? 僕が力になってあげられるよ」

ほむっち「私は、鹿目さんとの出会いをやり直したい! 彼女に守られる私じゃなくて、彼女を守る私になりたい!……うっ!」

ピカッ!

ほむっち(これは……初代ファミコン!?)

Qべえ  「契約は成立だ。さあ、解き放ってごらん、その新しい力を」

カチッ(リセット)


――病院のベッド――

ほむっち「ハッ! ……元に戻ってる! これで……転校デビューをやり直せる!(あと、瞬殺だったゲームの初回限定版が買える……)」


――学校――

ほむっち「暁美ほむらです。よろしくお願いします」

タタタッ
手ガシッ!

まどか 「ふぇっ!?」

ほむっち「鹿目さん! 私も魔法少女になったんだよ! これからいっしょに頑張ろうねっ!(……おっと! 鹿目さんに会えたうれしさのあまり、先走ったわ。我慢我慢ガマン汁。でも、私達は、お前ら一般人とは違う世界の住人なんだよ……ニヒニヒ)」

まどか 「……(……うわあ……)」


――高架下――

ほむっち「行きます!(気配を遮断しろ……ステルスほむだ!)」スゥ……

まどか 「あ! ほんとに消えた! ほむらちゃん? ほむらちゃんどこ?」

マミ  「……(私と同類のにおいがする……)」


――委員長戦――

マミ  「暁美さん! お願い!」

カチッ(ポーズ)

ほむっち「えいっ!(リア充爆発しろ!)」爆弾ポーイ

ドカーン!

まどか 「やったー! すごい! すごいよ、ほむらちゃん! ウェヒヒ」ギュッ!

ほむっち(むはっ! 相変わらず雌のにほいプンプンさせやがって!)クンカクンカ


――ワルプル戦――

まどか 「うっ!……うあああああ!!!!!」

ほむっち「鹿目さん!?」

ソウルジェムパリーン!
喪女モコモコ

ほむっち「どうして? なんで? こんな……(……守れなかった……や、やり直さないと……)」

カチッ(リセット)


――病院のベッド――

ほむっち「伝えなきゃ……みんなキュゥべえに騙されてる!(転校デビューとか言ってる場合じゃないかも)」メガネプルプル


――どこか――

さやか 「あのさぁ……キュゥべえがそんなウソついて、いったいなんの得があるわけ?」

ほむっち「そ、それは……(知るか! 殺すぞ、くそビッチ!)」

さやか 「まさかあんた、本当はあの杏子とかいうやつとグルなんじゃないでしょうね?」

ほむっち「ち、違うわ!(男にフラれて杏子とレズレズしてたのはてめーだろ、このブス!)」

さやか 「どっちにしろ、私、この子とチーム組むの反対だわ。目の前で爆発とか火の粉が飛ぶのは勘弁です」

マミ  「暁美さんには、『ボンバーマン』以外のソフトってないのかしら」

ほむっち「ちょっと……考えてみます(……話逸らされた……)」


――ゲーム屋さん(時間停止中)――

ほむっち「……」

ガサゴソガサゴソ(物色中)

ほむっち「……ワイルドガンマン……」

ポッケナイナイ

ほむっち「……魂斗羅……」

ポッケナイナイ

ほむっち「……コンボイの謎……」

ポッケナイナイ

ほむっち「……フロントライン……」

ソットジ


――オクタ戦――

オクタドンチャンドンチャン♪

杏子  「てめぇ、さやかに何しやがった!」

まどか 「さやかちゃん、やめて! 思い出して!」

カチッ(ポーズ)

ほむっち「ごめん、美樹さん……」

爆弾ドカーン!

杏子  「さやか……ちくしょう! こんなことって……」

まどか 「ひどいよ……こんなの、あんまりだよ……」シクシク

ほむっち(……だから! 私の話聴けって言っただろおがあああ!!!……)

リボンクルリン!

ほむっち「!?」

バキューン!
パリン!
杏子ドサッ

マミ  「ソウルジェムが喪女を生むなら! ……みんな死ぬしかないじゃない! あなたも! 私も!」プルプル

ほむっち「ちょっ!(お前も話聴けよおおお!!!)」

ビューン!
パリン!
マミドサッ

まどか 「もういやだよこんなの……ウエェェェン!!!」

ほむっち(他のやつらじゃダメだわ……やっぱり私が鹿目さんを守るしかない……)


――ワルプル戦――

マモレナカッタヨ

ほむっち「……ねえ、私達このまま怪物になって、こんな世界めちゃくちゃにしちゃおっか……(鹿目さんといっしょなら、友達といっしょなら、それもアリかな)」

グリーフシードコツンッ→ソウルジェム

ほむっち「そんな! なんで私に!?」

まどか 「私にはできなくて……ほむらちゃんにはできることお願いしたいから……キュゥべえに騙される前の……馬鹿な私を助けてあげてくれないかな……」

ほむっち「約束するわ! 何度繰り返すことになっても、必ずあなたを守ってみせる!」

まどか 「……もう一つ頼んでいい? 私……喪女にはなりたくない……いやなことも悲しいこともあったけど……守りたいものだって……たくさんこの世界にはあったから……」

ほむっち「まどか!(なんで!? 私はまどかを守りたかったのに……「まどか」を守るために「まどか」を殺すの!?……なんで!?)んぬぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!」

パァン


――病院のベッド――

ほむっち「……」

スタスタスタ
髪ファッサー

ほむっち「誰も未来を信じない……誰も未来を受け止められない……だったら、私が……喪女を駆逐してやる……この世から……一匹……残らず!!」


――ワルプル戦――

まどか「はあ、はあ、はあ……」タッタッタ

ガチャ

ほむっち「……」襟立て黒服ファッサー

まどか 「(エエエェェェ……)これはひどい……」

Qべえ  「しかたがないよ。彼女一人では荷が重すぎた」

ワルプル「オーホッホッホッホッホ!!!!!」ドカーン

ほむっち「まどか! そいつの言葉に、耳を貸しちゃダメ!」

※以下、ほむっち視点の読唇術

Qべえ  『黒服はないよねぇ?ヒソヒソ』(※)

まどか 『ねぇ? プークスクス』(※)

ほむっち「って、お前ら何ヒソヒソ話しとんじゃあああ!!! イチャコラすんなやあああ!!!」

ワルプル「オーホッホッホッホッホ!!!!!」ズガーン

ほむっち「おめーもうるせーよ! 聞こえねーからちょっと黙れ!! つーか地に足つけて座ってろ!!!」

ワルプル「オッ、オホッ!……ゲホッ! ゲホッ……」

Qべえ  『ええがや』(※)

まどか 『あかんて』(※)

ほむっち「ふざっけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!(ツーコンマイク越し)」ヒュゥゥゥ……(落下)

まどかピカッ

(時間経過)

Qべえ  「本当にもの凄かったね、喪女になったまどかは。ま、後は君達人類の問題だ。僕等のエネルギー回収ノルマは、おおむね達成できたしね」

ほむっち(……エネルギー……ちぃおぼえた……)

クルッ(踵返し)

Qべえ  「戦わないのかい?」

ほむっち「……ぅねん」

Qべえ  「え? なんて?」

ほむっち「これはな、ちゃうねん」

カチッ(リセット)


――ワルプル戦――

ほむっち「……まあ、なんやかやあって、現在にいたるわけですわ」

まどか 「……そっか……ほむらちゃん、私、魔法少女になる!」

ほむっち「そうそう、だからあなたは早く逃げ……ってなるんかい!」

まどか 「……」

ほむっち「魔法少女なるんかーい! え? ちょっと待って? え? ウソやろ? いやいやいや……私の話聴いてた? 耳アカたまってんじゃないの? なめようか? 私が耳アカなめ取ろうか?」

まどか 「信じて。ぜったいに今日までのほむらちゃんを無駄にしたりしないから」

ピカッ!

ほむっち「アホかあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」


――宇宙的なところ――

まどか 「今の私になったから、本当のあなたを知ることができた。ほむらちゃん、いままで守ってくれてありがとう。あなたは私の最高の友達だったんだね」

ほむっち「だからって、あなたはこのままこんな場所に一人ぼっちで永遠に取り残されるっていうの!?」

まどか 「一人じゃないよ。これからの私はね、いつでもどこにでもいるの。だから見えなくても聞こえなくても、私はほむらちゃんのそばにいるよ」

ほむっち「なるほど、汎神論か。しかし、『どこにでもいる』ということは、すなわち『どこにもいない』ということになるのではないか。なぜなら、我々が『いる』という言葉を使うのは、通常、当該個体が『どこかにはいる』かつ『どこかにはいない』という場合であって、『どこにでもいる』場合ではないからである」

まどか 「いや、そうではない。たしかに、通常の意味で他の存在者と区別された個体としての私がこの宇宙の『どこかにいる』ということはなくなる。しかし、私が『どこにでもいる』と言っているのは、宇宙そのものが私そのものだという意味である。ミクロ的にいえば、たとえば、暁美ほむらを構成する細胞の一つ一つ、原子の一つ一つ、素粒子の一つ一つに至るまで、すべてが私なのである」

ほむっち「その想像はたしかに気色いいが、やはりおかしい。万物すなわち神だというのなら、汎神論自体無意味ではないか。たとえば、夢はいつか覚めるからこそ夢なのであって、いつまでも覚めないならばそれは夢ではなく現実だろう。同様に、他の存在者と対比されることのない汎化された存在者は、『いる』という意味自体が空回りしてしまう。私が欲しているのは、そのような『いるかいないかよく分らない鹿目まどか』ではない」

まどか 「……ごめんね。私、みんなを迎えに行かないと。指名入っちゃった」

ほむっち「って、私とほかの子とどっちが大事なのよおおおおお!!!!!」

キュピーン(改変)


――改変後の現実世界――

ほむっち「……一人で勝手に転生デビューしちゃってさ……イジイジ」

Qべえ  「またぼっちにもどっ……いえ、なんでもありません」

ほむっち「……さてと、しょうがないから、うつぶせ寝でまどかのエッチな夢でも見るかガサゴソ……ハァハァ……まどか……せつないよぉまどかぁ……リボンクンカクンカペロペロ」

Qべえ  「いやいや……」

ほむっち「……ハァハァ……ハァハァ……んぬぐぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!…………………………ふぅ……悲しみと憎しみばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれど……」

Qべえ  「救いようのないのは……いえ、なんでもありません」

ほむっち「だとしてもここは、かつてあの子が守ろうとした場所なんだ。それを覚えてる。決して忘れたりしない。だから私は、戦い続ける!」

つづく